司法書士大津新のお仕事ブログ


8月 17, 2015

株式会社設立登記の登録免許税が半額になる制度

「創業支援に熱心に取り組む市区町村を応援します」ということで、経済産業省は平成26年1月20日に施行された産業競争力強化法に基づき、安倍内閣が推進する地域における創業の促進を目的として、市区町村が創業支援事業者と連携して策定する「創業支援事業計画」の認定を今年5月20日時点で5回行っています。

そして「事業を営んでいない個人」がこの認定を受けた市区町村を本店所在地として新たに株式会社を設立する場合、【特定創業支援事業】という市区町村や創業支援事業者が開催する創業基本セミナーを規定回以上受講し、受講証明書(要申請)を受け取ると株式会社設立登記申請時にかかる登録免許税が半額(資本金の0.7%→0.35%、最低税額15万円→7.5万円)になります。

例えば墨田区では今後次の特定創業支援事業(セミナー)のいずれかを規定回以上受講し、かつ「経営・財務・人材育成・販路開拓」が身につく講義を受講することが証明書をもらえる条件のようです。
・ゼロからはじめる起業ゼミ(墨田区すみだ中小企業センター主催、1月16日~3月12日全5回、3,000円)
・ひがしん創業塾(東京東信用金庫主催、10~11月全6回程度予定、無料)
・KFCクリエイティブスタジオ創業セミナー(国際ファッションセンター(株)主催、9~2月全12回、6,000円)

第1回認定から第5回認定において創業支援事業計画が国から認定された市区町村と連携創業支援事業者については次のリンクをご覧下さい。計画認定数が合計547件(46都道府県605市区町村)です。なお、9月下旬に第6回認定がされてさらに増える予定です。
http://www.chusho.meti.go.jp/keiei/chiiki/sannkakudanntai.pdf#search=’%E7%AC%AC%EF%BC%91%E5%9B%9E%E8%AA%8D%E5%AE%9A%E3%81%8B%E3%82%89%E7%AC%AC%EF%BC%95%E5%9B%9E%E8%AA%8D%E5%AE%9A%E3%81%AB%E3%81%8A%E3%81%84%E3%81%A6%E8%AA%8D%E5%AE%9A%E5%89%B5%E6%A5%AD%E6%94%AF%E6%8F%B4%E4%BA%8B%E6%A5%AD%E8%A8%88%E7%94%BB%E3%81%AB%E8%AA%8D%E5%AE%9A%E9%80%A3%E6%90%BA%E5%89%B5%E6%A5%AD%E6%94%AF%E6%8F%B4%E4%BA%8B%E6%A5%AD%E8%80%85%E3%81%A8%E3%81%97%E3%81%A6%E5%8F%82%E7%94%BB%E3%81%95%E3%82%8C%E3%81%9F%E5%9B%A3%E4%BD%93′

ちなみに東京都で認定を受けている市区町村は、文京区、台東区、墨田区、江東区、品川区、大田区、中野区、杉並区、豊島区、北区、荒川区、板橋区、練馬区、足立区、江戸川区、八王子市、立川市、武蔵野市、三鷹市、青梅市、府中市、昭島市、調布市、町田市、小金井市、小平市、日野市、国分寺市、国立市、福生市、東久留米市、東大和市、多摩市です。
残念ながら新宿区、渋谷区、港区、千代田区、中央区といった中心地区はまだ認定を受けていませんので今後に期待しましょう。

法人代表者又は個人事業主でない方で株式会社を作って起業する予定の方はぜひこの制度を使ってみてはいかがでしょうか?

当事務所では会社設立をスピーディかつリーズナブルにサポート致します。お気軽にお問い合わせ下さい。
http://www.otsujimusyo.com/

8月 13, 2015

土地や建物の相続登記(名義変更)はお早めに!

土地や建物(不動産)の所有者が亡くなった場合の相続登記(名義変更)は期限はありませんが早めにしておかないと次のような問題が起こる可能性があります。
・土地や建物を売却したくても前提として相続登記をしないと売却できない。
・二次相続が起きて相続人が増えると話がまとまりにくくなる(遺産分割協議書には相続人全員の実印が必要)。

2年前の5月に父が他界し父名義だった町田の実家の相続登記のために母と兄弟4人集まったのがこの時期でした。当時実家は戸建てで父と母が住んでおりましたので、今後母一人住むには広く、庭に植物が多く管理が大変だったこと等により売却することになりました。長年住んだ実家との別れに寂しい気持ちもありましたが、このとき早めに手続をしたので母は自分に合ったサイズの新居を探せて結果的によかったようです。

そこで、早く相続登記をやっておきたいという方のために以下に一般的な相続登記必要書類を書きます。

◎被相続人(亡くなった方)の必要書類

1.死亡から出生に遡る戸籍謄本(全部事項証明書)・除籍謄本・改製原戸籍謄本
→ 15、6歳まで遡れていれば登記は可能です。遺言書により登記する場合は死亡の記載があるもののみで構いません。
2.住民票除票(死亡の記載のある住民票)又は死亡後の戸籍の附票 (注)

(注)住民票除票又は戸籍の附票の住所が不動産登記記録(登記簿)の甲区(所有権に関する事項)に載っている被相続人(所有者)の住所につながらない場合は、登記済権利証又は登記識別情報通知、固定資産税の納税通知書・課税明細書、不在住証明書(登記上の住所に住所がないことの証明)・不在籍証明書(登記上の住所に本籍がないことの証明)等が必要になります(不動産を管轄する法務局により取り扱いが異なります)。

※戸籍の附票とは?
→ 本籍のある市区町村の役所で取得できる書類で、その本籍にいる間の住所の履歴が記載されています(一方、住民票は基本的に1つ前の住所しか記載されていません)。
不動産の登記名義人住所変更登記や相続登記で不動産を取得した当時から複数回住所を移転している人の住所を現在の住所から登記記録上の住所までつなげる必要があるときに便利です。
また、住民票と同様に不動産を取得した人が所有権移転登記申請等に添付する住所証明書にもなります。

◎相続人の必要書類

1.相続人全員の戸籍謄本(全部事項証明書)又は戸籍抄本(個人事項証明書)
→ 被相続人の死亡後に取得したものである必要があります。遺言書により登記する場合は不動産を相続する人のもののみで構いません。
2.相続人全員の市区町村長発行の印鑑登録証明書
→ 遺産分割協議をせず法定相続分で登記する場合や遺言書により登記する場合は不要です。
3.不動産を相続する人の住民票又は戸籍の附票
4.遺産分割をする場合は遺産分割協議書(当方で作成可能です)
→ 相続人全員の署名と実印の捺印が必要です。
5.登記申請時の年度の固定資産評価証明書又は固定資産税の納税通知書・課税明細書
→ 登記申請にかかる登録免許税の算定に必要です(登録免許税=評価額の0.4%)。
公衆用道路(私道)等の固定資産税が非課税の土地は課税明細書に載らないので評価証明書が必要です。評価証明書取得の際は相続人であることを証明できる分の戸籍の提示が必要です。評価証明書は原則不動産の所在地の役所で取得できますが、東京23区の場合は区役所ではなく都税事務所で取得できます(不動産所在地とは別の区の都税事務所でも取得可能)。
6.遺言書がある場合は遺言書
→ 自筆証書遺言の場合は家庭裁判所の検認が必要。当方で検認申立代行可能です。
 公正証書遺言があるかどうか不明の場合は全国どこの公証役場でも検索してもらえます。
7.家庭裁判所に相続放棄の申立をした人がいる場合は相続放棄申述受理証明書

※戸籍謄抄本、戸籍の附票、住民票等は当方で不足分を取得することもできますのでお忙しい方や書類が遠方の役所にある場合等ご相談下さい。評価証明書も委任状をいただければ当方で取得可能です。

相続登記をお考えの方はお気軽にお問い合わせ下さい。ご相談無料です。
http://www.otsujimusyo.com

8月 01, 2015

会社設立のススメ

最近会社設立のご相談を受けることが多いので設立費用と維持費用が一番安い合同会社を中心に書きます。

合同会社とは、平成18年5月1日施行の会社法によって創設された新しい会社類型で、株式会社と同様1人から設立でき、対外的には出資を限度とする間接有限責任の会社で、対内的には人的結合が強く、定款(ていかん)による柔軟なルール設定が可能な会社です。
出資者を「社員」といい、社員が複数の場合は業務執行権のある社員と業務執行権のない社員に分けることもできます。業務執行権のない社員は定款には載りますが登記記録には載りません。ここでいう「社員」は従業員という意味ではありませんのでご注意ください。
業務執行権のある社員を各自代表社員とすることも、1人を代表社員とすることもできます。

合同会社を設立するメリット
・設立費用が一番安い(公証人による定款認証(5万円強)が不要、登録免許税が株式会社より格安)
・維持費用も一番安い(業務執行社員・代表社員の役員任期がないので再選の登記が不要、決算公告も不要)
・業務執行社員による迅速な意思決定(原則業務執行社員の過半数の一致。定款で別段の定めも可能)が可能(社員総会、株主総会、取締役会等の機関が不要)
デメリット
・知名度が低い(とはいえ年々増加しており認知されてきている。実はiPhoneのアップルジャパンやスーパーの西友も合同会社)
・代表者を「代表社員」と登記されることを気にする人もいるかもしれない(とはいえ「社長」と称することは可能)

合同会社に向いている事業等
・飲食店、エステ、美容室、鮮魚販売、野菜・果物の販売等「会社」という言葉を前面に出さない業種
・個人事業の法人成りとして
・定年退職者や主婦の起業
・著名人が代表者になる場合
・資産管理会社や所有不動産の管理会社等法人格のみ必要な場合
・ネームバリューのある会社の子会社として

合同会社を設立する場合も、取引先との関係等でやはり知名度のある株式会社を設立する場合も、当事務所は電子定款(紙の定款の会社保存原本には貼らなければならない収入印紙4万円が不要、CDが原本となる)に対応しております。
会社設立をお考えの方はホームページ等からお気軽にお問い合わせください。ご相談無料です。
当事務所オリジナル設立フォーム(Wordファイル)をご用意しておりますのでお問い合わせの方にお送りいたします。
http://www.otsujimusyo.com/